1)用水状況
本地区の用水は、北上川を水源として大泉及び水越両揚水機場より取水している。
北部は中田沼を干拓した低湿地でKP9.5m~7.0mの地帯であり、一方南部はKP8.0m~6.0mの旧来よりの水田が分布しており、これらの地域は大泉揚水機場によってかんがいされている。 大泉揚水機場では南下する大泉幹線用水路と途中から分岐する石森幹線用水路から、各支線用水路や圃場整備事業で造成された加圧機場を通して各圃場へかんがいされている。
地域中央部にはKP11.8m~9.6mの高位部水田が分布しており、この地域は水越揚水機場よりかんがいされている。水越揚水機場からは、地区中央部を北上してから西方へ流れる水越幹線用水路から加賀野北・南用水路と、浅水地区の峰前外2用水路を通して各圃場へかんがいされている。
桜場揚水機場は、大泉揚水機場から約6.6km下流地点に造成され、大泉幹線用水路から水越幹線用水路へ不足時に補給する。
2)排水状況
本地区の排水は、国道346号線を境に北部の石森地域と南部の五ヶ村堀地域に大別され、一部の地域を除き殆ど夏川及び迫川に自然排水、又は機械排水されている。
①石森地域
石森地域の排水は、北部、中央部、南部の三つの区域に大別される。北部区域の排水は、上沼・石森・岩手県花泉町永井の大部分の耕地の排水で、宮城・岩手の県界水路、糠塚排水路によって石森糠塚排水機場樋門より夏川へ排水されている。中央部の排水も二つに区分され、一つは石森脇谷、高見を経て石森川前に至る二ッ木排水路より夏川へ、他の一つは上沼桜場北側より石森南側に通じる桜場排水路を経て、石森西田排水機場樋門から夏川へ排水されている。
南部区域は、細谷排水路及び境堀排水路を経て、細谷排水機場樋門より迫川へ排水されている。
又、国道342号線以東地域は大水門(国が直轄管理)を通じて北上川へ自然排水されている。
しかし、夏川及び迫川並びに北上川出水時においては、各樋門を早期に閉鎖し糠塚排水機場、西田排水機場(以上国営かんが排水事業で設置)、及び糠塚第2排水機場、西田第2排水機場、細谷排水機場(以上湛水防除事業で設置)によって河川に機械排水されている。
②五ヶ村堀地域
五ヶ村堀流域の排水は、主要県道築館登米線を界として、北部を高位部(KP6.8m以上)、南部を低位部(KP6.8m以下)と区分し、高位部は新井田排水路、大排水路を合わせて流下する五ヶ村堀排水路より、迫川の水位KP5.6mまで五ヶ村樋門から迫川に自然排水されているが、これ以上河川水位が上昇すれば自然排水できないため、五ヶ村堀高位部排水機場で機械排水されている。
低位部は遠田江排水路、森低位部排水路を合わせて流下し、分水隔壁を解放し五ヶ村堀排水路を通じて五ヶ村樋門より自然排水するが、排水量が増大し内水位がKP4.8mに達したら分水隔壁を閉じて低位部排水機場を運転する。更に急激な出水や湛水時には五ヶ村堀第2排水機場(湛水防除事業で設置)と併せて機械排水している。